2018/01/22 |

鶏節(とりぶし)の誕生は必然?

鶏節(とりぶし)の誕生は必然?

―新しい旨みの仲間が誕生 <鶏節(とりぶし)>―

鶏節(とりぶし)は、鰹節の製法を応用してできた新しい鰹節の仲間であります。

鰹節は、日本の長い歴史の中で日本人が発明した知恵であります。
鰹節の誕生は日本の直ぐそこに黒潮が流れていた環境が合ったからこそからこそ、発明されました。言わば、必然ですね。

鶏節もやはり日本人がとても親しんできた鶏を原料としています。節になったことは必然を感じます。日本人は昭和40年代まで、魚を除く動物性タンパク質を摂取していた7割は、鳥肉と鯨と聞いたことがあります。昭和40年代というと、丁度私が生まれた頃なので感慨深いです。今では焼肉屋さんなどに行くと、鳥よりも豚や牛の方がよく食べられているし、喜ばれている感じがします。
日本人は文明開化になるまでは牛や豚などの4つ足は口にしなかったし、その頃でさえゲテモノと呼ばれて、ゲテモノ屋で売っていた、という話を予備校の先生がしていたのを思い出しました。

それ位、魚以外の動物性タンパク質と言えば、“鳥肉”というくらい日本人には親しみの深い食材だったのですから、日本人を形成してきたモノでありますね。鰹節の原料となる鰹と同じ位日本人のDNAに刻まれて入るということですね。

―鶏肉は、節にするのに適していたー

鰹節の様に<節>にするのは、魚の肉を使うのが常です。
鰹、サバ、宗田鰹、ムロアジをはじめ、まぐろやサンマ等もあります。最近ではサメ節なども話題になっていますね。
鰹節の様に節にするには、どの様なモノが適しているのでしょうか?鰹節屋がみるその適正は、“魚質”といって、その身にある脂の量の重きをおいております。意外だと思われる方も多いと思いますが、魚のお刺身と違い脂が少ないモノを良しとしております。それは、鰹節は製造するのに数ヶ月の期間を要しますので、その脂が酸化して悪さをしてしますのが理由です。
その点、動物のお肉の中では鳥肉の胸肉が脂が少いので丁度良いです。動物のお肉の中でも色々とありますが、代表的な牛肉や豚肉はどうしても脂が多いので節に製造したときに、脂でギトギトになってしまいます。刺身用の馬肉を節に作ってみたこともあります。これはまずまずで悪くないできでした。しかし、馬肉は水分を多く含んでいて、燻して乾燥させると出来上がりがとても少なくなってしまい歩留まりが悪いです。しかも馬刺し用のお肉は高級品なので、仮に1/8になってしまうとしたら、その原料の原価だけみただけでの8倍になってしまいます。もちろん、価格を気にせずに創れれば問題はないですが。その・鳥の胸肉は原材料の価格も高すぎるということは無い(安価も無いですが)ので、商品にするのは現実的でした。

その様な、日本人が過ごしてきた環境や文化、歴史などの背景からすれば鶏節誕生したのにも納得がいくことが多く、受け入れやすい事象が揃っていたように思います。私にしてみればこれは必然の様な気がしています。
鶏節の今後が楽しみです。

 

 

ページトップ